初めに
皆さんこんにちは。
引っ越し作業に追われているオペル(opel)です。
いらないものとかを処分しながら準備をしていますが、映らないテレビとかそういったものをどうやって処分しようか…
色々と悩みながら動いてますw
さて、レザークラフトをしていると、たまにこんなことを聞かれます。
「財布って自分で作った方が安いの?」
確かに、市販されている本革の財布を見ると5,000円、10,000円、高いものなら数万円するものもあります。
それなら革を買って自分で作ってしまえば、かなり安く財布を手に入れられるのではぁ???
私も元々は「鞄自分で作ったほうが安いんじゃね?」と考えてレザークラフトを始めました。
ですが、実際に様々な財布を作るようになって分かったことがあります。
自作=必ずしも安いわけではありません。
今回は、実際に私が作っている財布を例に、材料費がどのくらい掛かっているのか計算してみたいと思います。
※革の購入価格や金具などによって材料費は大きく変わるため、あくまで一例としてご覧ください。
今回計算する財布

今回材料費を計算するのは、私が普段製作している小型のトラッカーウォレットです。
一般的な長財布よりもかなりコンパクトな財布で、革を何枚か重ねて作っています。
使用している主な材料は、
- ヌメ革
- 縫い糸
- ファスナー
- ホック
- 染料・オイル・仕上げ剤 etc…
こうして見ると、
「あれ、意外と材料少なくない?」
と思う方もいるでしょう。
私もそう思います…
では実際に計算してみましょう。
一番お金が掛かるのは、やっぱり革
財布の材料費で一番大きいのが革です。
私の場合は主にタンニン鞣しの革を使用しています。
革はA4サイズなどの小さなサイズでも購入できますが、本格的にレザークラフトを続けていると半裁などの大きな革を購入することもあります。
当然ですが、半裁を財布1個で全部使うわけではありません。
そのため材料費を計算するときは、
「革を買うのにいくら掛かったか」ではなく「財布1個に何円分の革を使ったか」
で考える必要があります。
例えば10,000円で購入した革から財布を10個作れるのであれば、単純計算で財布1個あたり約1,000円。
実際には使えない部分や端材も出るので、もう少し高くなるでしょう。
革の種類によって価格は大きく違いますが、財布1個でも意外とそれなりの金額になります。
ファスナーやホックにもお金が掛かる
次に金具類です。
トラッカーウォレットの場合、コインポケットにファスナーを使用したり、財布を閉じるためにホックを使用したりします。
1個あたりで考えると数十円~数百円程度なので、
「大したことないじゃん」
と思います。
しかし、これが意外と積み重なります。
ファスナー、スライダー、ホック……。
財布の仕様を豪華にすればするほど材料費も上がっていきます。
真鍮製の金具やカラー、金具のサイズなど、金具そのものにこだわればさらに高くなります。
糸は意外と安い
逆に、1個あたりで考えるとそこまで大きな金額にならないのが縫い糸です。
レザークラフト用の糸を1巻購入するとそれなりの値段はしますが、財布1個ですべて使い切るわけではありません。
1個の財布に使用する分だけで計算すれば、そこまで大きな金額にはならないと思います。
ただし、
「この革には白い糸がいいな」
「こっちは焦茶がいいな」
「黒も欲しいな……」
とやっていると、なぜか糸の種類が増えていきます(笑)
これは材料費というより、レザークラフトあるあるかもしれません。
染料や仕上げ剤も忘れてはいけない
私の場合、革を染色して作品を作ることもあるため、染料や仕上げ剤も使用します。
例えば、
- 染料(クラフト染料)
- ニーフットオイル
- トコノール
- レザーコート
などです。
これらも財布1個に使用する量はわずかです。
しかし無料ではありません。
正確な材料費を出すのであれば、こうした消耗品も含める必要があります。
実際に財布1個の材料費を計算すると?
では、ざっくり計算してみましょう。
仮に、
- ・革 1,500円
- ・ファスナー 200円
- ・ホック 100円
- ・糸 100円
- ・染料・オイル・仕上げ剤 200円
掛かったとします。
合計すると、
約2,100円。
もちろんこれは一例です。
安い革を使えばもっと安くできますし、高級な革や真鍮金具などを使用すれば3,000円、4,000円と材料費が上がることもあります。
それでも、
「2,000円くらいで本革の財布が作れるなら安いじゃん!なんだよ~ww」
と思いますよね。
ところがぎっちょん、忘れてはならないものが残ってますよ?

道具代を忘れてはいけない
革だけ買ってきても財布は作れません。
最低限でも、
- ・カッター
- ・カッターマット
- ・菱目打ち
- ・木槌
- ・ゴム板
- ・縫い針
- ・コバ磨き用の道具
ここらへんが必要です。
さらに凝り始めると、
革包丁、ヘリ落とし、ハトメ抜き、打ち具、革漉き用の道具……
と、どんどん増えていきます。
財布を1個だけ作るために5,000円や10,000円分の道具を購入するのであれば、
普通に財布を買った方が安い!!!!
もちろん道具は一度買って手入れをしていけば何度も使えるため、2個、3個、10個と作るほど1作品あたりの負担は小さくなっていきます。
ここが自作と市販品を単純に比較できないところです。
そして一番高いのは「作業時間」!!

もう一つ忘れてはいけないものがあります。
作業時間です。
- ・型紙を作る。
- ・革に線を引く。
- ・裁断する。
- ・染色する。
- ・接着する。
- ・菱目打ちで穴を開ける。
- ・縫う。
- ・コバを磨く。
- ・金具を取り付ける。
財布一つでも、完成までにはかなりの工程があります。
上記の作業工程は一例です。実際はまだまだあります。
慣れていない頃なら、数時間どころか何日も掛かることがあります。
仮に材料費2,100円で財布が完成したとしても、製作に5時間掛かったとします。
最低賃金が一時間1,100円程なので、小さい財布を作るだけでも5,500円分くらいの作業時間となります。
自分の作業時間まで金額として考えるのであれば、決して「2,000円の財布」とは言えません。
市販されているハンドメイド財布を見ると、
「革なのに結構高いな……」
と思うことがあるかもしれません。
しかし、いざ自分で作ってみると、
「この値段になるのも分かるな……」
と思うようになります。
私自身、販売するようになってから特にそう感じるようになりました。
じゃあ財布を自作するメリットはない?

ここまで読むと、
「じゃあ自分で作る意味なくない?」
と思うかもしれません。
ですが、私はむしろ逆だと思っています。
自作する最大のメリットは、安さではなく自分の欲しい財布を作れることです。
「もう少し小さくしたい」
「カードポケットはいらない」
「小銭入れを大きくしたい」
「この色の革に白いステッチを合わせたい」
「市販品にはない形にしたい」
こういったことを全部自分で決められます。
市販品の場合、自分の希望に100%合った財布を探すのは意外と大変です。
しかし自分で作るのであれば、サイズも革も色も収納方法も自由です。
これこそが財布を自作する一番のメリットだと思います。
結局、市販品と自作はどっちが安い?

結論として、
財布を1個だけ欲しいのであれば、市販品を買った方が安い場合が多いと思います。
特にレザークラフトを一度もしたことがない人の場合、材料だけではなく道具まで揃える必要があります。
そのため、
「1万円の財布が欲しい。でも高いから自分で作って5,000円で済ませよう!」
と思ってレザークラフトを始めると、気が付けば道具と革で1万円を超えている可能性があります(笑)
ただし、すでに道具を持っていて何個も作品を作るのであれば話は別です。
材料費だけで考えれば、市販の本革財布より安く作れることもあります。
そして何より、自分好みの財布を自分の手で作れるという、市販品にはない楽しさがあります。
まとめ
財布を自作すれば必ず市販品より安くなる、というわけではありません。
革や金具などの材料費だけを見ると安く感じますが、レザークラフトを始めるための道具代や製作時間まで含めると、最初の1個はかなり高い財布になる可能性があります。
それでもレザークラフトを続けていけば、同じ道具を何度も使用できるため、1作品あたりの道具代は少なくなっていきます。
そして自作最大の魅力は、値段ではありません。
自分が欲しいものを、自分の好きなように作れること。
これだと思います。
「財布を安く手に入れたい」という理由だけなら市販品。
「自分だけの財布を作ってみたい」のであればレザークラフト。
財布を自作しようか迷っている方は、ぜひ一度挑戦してみてください。
……ただし、節約目的で始めたはずなのに革と工具がどんどん増えていっても責任は取れません(笑)